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今週は、5話の演出を担当、現在は8話の仕上げに入っている秋山純さんに話を聞きました。

5話について

「とにかく明日美と櫂のラストシーンをじっくりと描きたかったので、対照的に前半はかなりテンポを出して行きました。明日美の愛に引き戻されるように櫂が走って帰って行くところは、まっすぐの道を一気に駆け抜けるカットを、櫂の目線で撮りたかったので、カメラの栗林さんに重いステディカムを抱えて、櫂くんを追いかけて200mを全力疾走してもらいました。大変でしたが、おかげで一発で成功、すばらしいカットが撮れました。

…今回は本当にすてきなスタッフ・キャストに恵まれて、とても良い環境で仕事をしています。例えば5話のMA(効果音/音楽付け)の時のことです。通常ロール(注:CMに挟まれた本ペン部分をそれぞれロールと呼びます)ごとに作業して行くわけですが、最終ロール(ロール3)に入ったのが午前3時、普通なら一刻も早く終わらせたいと思うんところなんですが、その時は選曲担当の小堀さんが『気持ちを作るために最初からもう一度見よう』と言ってくれたんですよ。ステキでしょう?
それで、みんなで最初からもう一度見て、その流れで本番をやって、一発OKでした。それから、5話の最終ロール、竜也の車の中での一人芝居 --明日美のところへ戻るか戻らないか、戻る--と決めた時の芝居はすごい。何度見ても泣けます。プレビューの時に自分で見て泣いてたら、プロデューサーにバカと言われましたが(笑)」

8話について

「8話は、生と死を正面から扱う話なので、軽く扱いたくない、という気持ちが強くありました。そのためには、これはビデオエンジニアの勝屋さんがボクに言ってくれたことなんですが、『自然を味方につければいい』と。テレビドラマの業界では、雨なのに昼間のシーンを撮ったり、夕方近くに朝のシーンを撮ったりなどというのはカンタンにできて、実際よくやっています。

でも今回は、そういう撮り方では出せない、実際の自然の力を借りることで、画面に迫力を持たせたかった。スタッフもキャストもこの考えに賛成してくれて、実際に日の出から夕景〜深夜〜薄暮というように、30時間以上かけて撮影をした日がありました。そのときは本当に自然が味方をしてくれて、天気もちょうど願ったとおりになってくれて、奇跡的なものを感じたくらいです。この辺りの意気込みはきっと画面にも現われていると思います。

…8話では鞠絵が昇天して行くのですが、ラストの宝生さんと奥菜さんは特に気に入っています。宝生さんは非常にあっけらかんとした演技をするんですが、そこに8話までの鞠絵のすべてが出ています。それを見送る奥菜さんもいいんです。彼女の、一瞬にして芝居に入れる集中力はすごいですよ。それから、どんなに疲れていてもスタッフに笑顔で心配りをするあたりは『さすがに座長!』(?)という貫禄を感じました。本当にがんばりやさんです。」

最後にひとこと

「本当にスタッフ/キャストに恵まれた現場でした。うまくみんなに乗せられて楽しくやれました!8話、期待していてください。
最後に、スタッフ内ウチトラ大賞に輝いたビデオエンジニアの重岡くんが奥さんを募集中です。よろしく。…それから、5話を見て、映画『××』へのオマージュが入っていると気づいた人、連絡をくれればボクがスパゲッティをおごります。」
ありがとうございました。

ウチトラ=スタッフが勤めるエキストラ・ちなみに重岡さんは美術の先生役で出演しています。


 

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