TOP 新しいこと あのアナウンサーは・・・ 見たい番組! 今週の8chは? 試写会にいこう
いろいろあるよ 関テレって? Webのなかみ 日本全国へ
救急ハート治療室 キャスト スタッフ 番組紹介 制作現場から みどころ ストーリー

最終話/第11話/第10話/第9話/第8話/第7話/第6話/第5話/第4話/第3話/第2話/第1話

 ● 7月27日 (第 4 話)

救急車で公平(吉田栄作)と見知らぬ中年男が運ばれてきた。男が駅のホームでよろけたのを助けようとして、公平も一緒に線路に落ちたらしい。幸いどちらも打撲で命に別状はない。

「電車がきてたら、あの人と心中するところでしたよ。」
公平が軽傷で、冴(財前直見)は胸をなでおろした。なぜ公平が西日暮里駅にいたのか。しかも夜中の12時の出来事。

「女ですね。」
「きっと同棲よ。」
萌子(星野有香)とまゆみ(安西ひろこ)は決めつけた。
「あんたは諦めた方がいいわね。」

恵子(横山めぐみ)にも鼻であしらわれたが、それぐらいでへこたれる冴ではない。
「どんな女がいようと、あたしは負けない。狙った獲物は絶対に落としてみせるわ。」
冴は気合を込めて宙をにらんだ。


井上圭太(井上 順)、公平と線路に落ちたこの男は大のギャンブル好きだった。大部屋に患者たちを集めては花札ざんまい。
「また、やられた!」
落合(久保 晶)も中田(伊藤俊人)も酒木(桑原貞雄)も大枚巻き上げられてしまった。

「病院内でギャンブルなんて!」
久美子(京野ことみ)が叱っても井上は
「お姉ちゃんも一緒にやろうよ。」
と反省の色は全くなし。

救急ハート治療室 第4話
挙げ句には明日の馬券を買ってきてほしいと久美子に頼む始末。
「お断りします。私はドクターです。」
久美子は井上をにらんで病室を出ていった。

冴は一樹(剣太郎セガール)に公平との仲を占ってもらっていた。
「チャンスは誕生日1度きりです。」
「分かりました。誕生日のビッグプレゼントで勝負に出ます。」

思い立ったら行動あるのみ。勝負はまずライバルの素性をつかむことから。冴が西日暮里駅で張り込んでいると、改札から公平が出てきた。こっそり尾行していくと、公平はとあるアパートの部屋の前で止まった。
「どんな美人が出てきても、あたしは驚かないわよ。」

ところがドアを開けたのは男。公平からケーキの箱を受け取ると、うれしそうに部屋の中に招き入れた。
「まさか、あの男が恋人ってこと?ウ、ウソォ!」
さすがの冴も絶句した。


ショックに打ちのめされた冴が夜勤のために病院へ戻ってみると、ナースステーション前のソファに患者たちが不安そうな顔で集まっていた。
「井上さんがまだ帰ってこないんですよ。」
「えっ!」

実は井上が間違いなく当たる馬券があると言ったものだから、患者たちはお金を渡して買いに行ってもらったのだ。冴と萌子もボーナスの残りを全て手渡していた。
「あのクソ親父、なにが倍にして返すよ!バースディプレゼントはどうするのよ!」
冴が怒りをぶちまけていると、斉藤(大滝 純)が近寄ってきた。

「警察に届けろよ。」
久美子はあわてた。
「まだ持ち逃げと決まったわけじゃないでしょ。」
斉藤は憎々しげにつぶやいた。
「アイツはそういう男なんだ。自分勝手に生きて、他人はどうなってもいいんだ。」

警察への通報をめぐってみんなが騒いでいると、当の井上が帰ってきた。
「みなさん、お揃いでどうしたんですか。」
酒が入って上機嫌だ。

「久しぶりに外へ出たら、すっかりいい気持ちになっちゃって。」
ちゃんと馬券も買っていた。
「これで明日のレースが終わったら、みんな大金持ちだ。」
みんなに馬券を配っていた井上が斉藤に気づいて声を上げた。

「透じゃないか。お前、この病院に勤めていたのかあ。」
ところが斉藤は
「オレの前からとっとと消えろ。」
と言い捨てると、振り返りもせずに歩き去った。

「あの気取った斉藤先生の父親が競馬オヤジだったとわねえ。」
翌朝のナースステーションはその話題でもちきりだった。医師だった井上は妻と息子の斉藤を捨てて、離れ小島の船宿で気ままに暮らしていたらしい。

斉藤は父親を強制退院させるよう、総婦長の玲子(鷲尾真知子)と久美子にねじこんだ。
「アイツがとんでもないことをしでかしてからでは遅いんです。」
父親に対する憎悪はかなりのものだった。

救急ハート治療室 第4話
そこへ公平がレントゲン写真を持って入ってきた。井上の胸部のレントゲン写真。
「骨に異常はありません。しかしこの影は。」
肺ガンだった。それでも斉藤は無言のまま、ナースステーションを出ていった。

大部屋では患者たちが井上を囲んで盛り上がっていた。馬券が的中したのだ。
「退院する前に予想していって下さいよ。」
「よし!オレに任せろ。」
井上は得意満面だ。

けれども井上の肺ガンはかなり進行していた。手術をしても生存率はパーセント。
「あの人もかつて医師だった。隠しておくのは難しいだろう。」
公平は本人に告知することにした。

冴はなんとかして斉藤と父親を和解させてやりたかった。
「お父さんのこと、許してあげたらいいじゃない。」
「アイツは病院のプレッシャーに耐え切れずに、酒に逃げて、ギャンブルに逃げて、最後にはオレとお袋を捨てて、離島にまで逃げたんだ。今ごろ出てきて、肺ガンだってよ。笑わせるな。」
斉藤はうっ憤をぶちまけた。


翌日、久美子の母親・光子(田島令子)が病院にやって来た。娘と斉藤を結婚させたい光子は、斉藤の父親が入院していることを聞きつけたのだ。
「親戚になる方なのよ。ご挨拶しなきゃ。」
斉藤は光子を押し止めた。
「そんな必要はありません。あの人とはとっくに親子の縁を切っていますから。」

そのころ、公平は井上に肺ガンを告知していた。
「手術すれば病巣をすべて取り除ける可能性があります。」
井上は首を横に振った。
「いや、手術はいいよ。」

冴は怒りを爆発させた。
「元気になって、ちゃんと息子と向きあえよ。このまま死ぬなんて許さない。」
井上はポツリとつぶやいた。
「オレにそんな資格はないよ。」
冴は言葉を失った。


カンテーレ