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 ● 9月 7日 (第 10 話)

救急病棟から水島(中村俊介)という患者が移されてきた。
「胃潰瘍で安静が必要です。」
恵子(横山めぐみ)のカンファレンスを聞きながら、冴(財前直見)はあくびをかみ殺した。

実は昨夜、久美子や同僚ナースたちと出かけたレストランで水島と出会った。
「お久しぶりです。」
水島は久美子の高校時代の先輩だった。水島は店を出ようとした矢先、腹を押さえてうずくまった。久美子は水島をタクシーに乗せて、セントマーガレット病院の救急に運んだという訳だ。

学会出席で公平(吉田栄作)にしばらく会えないとあって冴は元気がない。ところが水島の入院申請書を見ているうちに目が輝きだした。
エリート商社マンで、しかも独身。
「気力がみなぎってきたわ。」
冴はニンマリと笑った。


冴が喜々として病室に向かうと、水島と久美子が言い争っていた。
「早く退院させてくれ。」
「2週間は入院してもらわないと困ります。」
なんとか入院は承諾させたが、それからが大変だった。

女の触わった枕やシーツで寝るのはゴメンだ。女の運んできた食事なんか食えるか。とにかく冴をはじめナース全員をまるで人間相手にしない。しかも水島は退院していく夫婦にも食ってかかった。
「女なんか心の底では何考えてるか分かりゃしないからな。」

水島をかばい続ける久美子は「私の知っている先輩はあんな人じゃなかったのに」とため息をついた。
「誰だって変わるよ。」
いつになく冴が久美子をなだめた。


久美子の部屋に結婚式の招待状が届いた。高校の同級生、高原薫(中本奈奈)からだった。当時、薫は野球部員だった水島と付き合っていた。しかし薫の結婚相手は水島ではなく、木村茂(近藤泰弘)とあった。水島が変わってしまった原因はこれかもしれない。

久美子は本人に問いただすことにした。
「薫と何があったんですか?先輩と結婚するんだと思っていたのに。」
「うるさい!あんな女関係ない!」
水島は血相を変えた。


そこへ冴が口をはさんだ。
「ふられたんでしょ。でもさ、女も別れて正解よ。アンタみたいな傲慢な男と暮らしたら一生地獄だもん。」
水島は病室を飛び出した。

「あんな無神経なこと言わないで。」
「自業自得だと思うけど。」
「先輩は純粋で心の優しい人だった。きっと何かあったのよ。」
涙を浮かべて真剣に訴える久美子に冴は気押された。


水島が病室から消えた。ロッカーの中も空っぽだ。水島のマンションへ向かおうとした久美子を冴が止めた。
「落ち込んでいる時は昔なじみとは会いたくないもんだよ。」
冴が代わりに出かけた。

何度もチャイムを鳴らし続けて、ようやく水島が出てきた。
「女に振られたぐらいで甘ったれるんじゃないよ。病院に戻るよ。その根性を叩き直してやるから。」
冴が近づくと水島はおびえた。

救急ハート治療室 第10話
「愛せないんだ。俺はもう男になれない。ダメになったんだ。」
不能になったのに気づいたのは薫と別れてからだという。
「誰にも言わないでくれ。」
水島は顔をゆがめて懇願した。

その頃、久美子は薫の会社を訪ねていた。
「水島さんと何があったの?」
「悪いけど仕事があるから。」
薫は久美子を振り切るように立ち去った。

久美子が病院に戻ると、冴に付き添われて水島が帰ってきた。病室の水島はナースたちに食ってかかっていた時とは別人のようにしょんぼりと元気がなかった。
「もういいじゃない。今は胃潰瘍を直すのが先よ。」
冴はつとめて明るく振る舞った。

帰宅した冴はあき(夏木マリ)と五郎(坂田聡)の前で誓った。
「不能治療はあたしがヤルっきゃないか。」


冴は学会から帰ってきた公平にそれとなく相談した。
「女性に対する恐怖を取り除くのは段階を踏むことが肝心だ。例えば最初は手を握るとか。」
早速試してみたが、水島には効果なし。聞けば薫が初めての女性だったらしい。

「任せな。嫌なこと忘れさせてやるよ。」
冴は水島を夜の街に連れ出してナンパさせてみることにした。ところが空振りばかり。それではとバーに連れて行くと、せっかくホステスから誘ってくれているのに「もう病院に戻ります。」
ホステスと冴は顔を見合わせてガックリ。


「薫のことを真剣に愛していたんだ。」
水島は冴と久美子の前で重い口を開いた。薫が妊娠して2人は婚約した。そのまま幸せな結婚式をするはずだった。薫が水島のベッドで見知らぬ男(近藤泰弘)と抱き合っているのを見つけるまでは。しかも薫が身ごもっていたのはその男の子供だった。

「その場で婚約解消したよ。」
水島はたくさんの女と遊んでやろうとした。薫への復讐のつもりだった。
「だけど、ダメな自分に気づいた。女たちは俺をバカにした。」


女性への劣等感を取り除くには自信を回復させることが重要だ。冴は水島が元野球部員だったことを思い出すと、2人してトレーニングを始めた。
「無理して体を壊したらどうするの!」

最初は反対した久美子もいつの間にか、一緒になって汗を流すようになった。次第に水島の表情に明るさが戻ってきたからだ。トレーニングを始めて1週間。水島に面会者がやって来た。薫だった。



カンテーレ